東北・庄内見聞録-37
水晶山(天童市)と東沢バラ園(村山市)
期日：2014/09/07
記 ：2014/10/22
2014年9月7日日曜日
酒田市たくせいトレッキングクラブの9月定例山行「水晶山(天童市)」に参加した。
午前7時、たくせいコミュニティーセンタを出発、参加はメンバーのお孫さんの小学生も特別参加して12名。
酒田から最上川沿いの47号線を新庄へ、途中、尾花沢のＳＡ「ねまる」で途中休憩。9時前なのでまだ開店していない。「ねまる」とは尾花沢弁で｢くつろぐ｣という意味である。
奥の細道で芭蕉は『涼しさを 我宿にして ねまる也』を残している。
国道13号線を天童方面に向かい、乱川駅と山形新幹線天童駅の中間で作並･仙台方面への関山街道に入り、天童カントリークラブの直ぐ先に水晶山神社の鳥居がある。登山道はここから始まる。
その先の舗装された林道終点まで上がる。標高約400ｍ地点で休憩所｢六角堂｣がある。
駐車スペースは10台程。
酒田からここまで2時間40分。
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水晶山は開山から1300年以上が経ち、古来から信仰されている山である。 川原子口に向かう途中の谷地中には、平安末期に立てられたと考えられている「笠木が失われた鳥居の柱」が立っていて、その柱の間から水晶山を仰ぎ見ることができる。 …… 水晶山への道沿いには「道標碑」も所々に見られたり、川原子口下の遊歩道には「山神」と「山姥(やまんば)石像」が安置されていて、信仰の深さを垣間見ることができる。 …… 水晶山は標高667.9ｍ。天然の水晶が産出される山であることから命名されたとされる。 今も山道の石を注意して見ると、水晶に不純物の入ったいわゆる石英がみられる。 歴史的には「水晶山」ではなく「水精山」と表記される場合もあったようだ。 山の形は北側が急斜面になっており、｢鷲の頭｣であったり「オットセイが頭を上げたよう」と形容する人もいるように他の山と区別しやすい容姿である。 推古時代(飛鳥時代)も終わろうとしていた大宝2年(702年)に山岳修験道の祖・役ノ小角(えんのおづぬ)によって開山と伝わる。神仏混淆がはじまりだした時代でもある。 日本三代実録に「出羽国最上郡 霊山寺 預之定額寺」(貞観9年(867年)とあり、大和朝廷が位を与え保護した定額寺である「霊山寺」は、水晶山であるとされる。この山は、鷲の形に似ていることから天竺の「霊鷲山」と仰ぎ修験道場として栄えた所で、此処を「霊山寺」と呼び、住民は年々米一合又は銭一文を奉納していた。 最近での｢西ノ堂跡｣調査や「禊(みそぎ)の井戸」発掘などにより、これらの遺跡や、伝承から「霊山寺」は水晶山だという説が有力である。 水晶山の山頂には、日本武尊を祀った大和神社とその奥の院が鎮座している。 この神社は、「延喜式」(927年完成)に記載されている「出羽国 利神」とされている。 「出羽国 利神」は、延喜式の神名帳(当時の官社一覧表)の式外社となっていた。 すでに、貞観13年(871年)には従五位下の位が授けられていた神社である。 「貞観十三年四月三日己卯 授 出羽国 利神 従五位下」 ちなみに延喜式とは、平安時代に律・令・格の施行細則を集大成した法典で醍醐天皇により延喜5年(905年)に編纂開始し、22年後の延長5年(927年)に完成したもの。 山形県内における式内社は、鳥海大物忌神社、子物忌神社、月山神社、遠賀神社、由豆佐売賣神社、伊氏神社の6座となっていた。 この近辺には「学頭沢」「坊所」「貝吹道」「賽の神」「済度原」などの地名や「谷地中の石鳥居」「日輪寺跡」「大輪寺跡」「霊山寺跡」などの史跡があり、山岳信仰が盛んだった名残りである。 天童川原子地区と東根猪野沢地区の氏子が、5月初旬に大和神社の祭典を開いたり、登山道の整備などに尽力している。地域活動として、山口公民館では歴史ある水晶山の保存活動に熱心に取り組んでいる。 出所：水晶山には歴史がいっぱい http://www.geocities.jp/mtsuishou/rekisi.html |
9時40分登山開始。
杉林の植林地帯の七曲がりのジグザグ道を登ると展望台。ここで小休止。
眼下に村山地方の平野が広がる。
ここからは、ブナやナラの等の自然林のなかの緩い登山道を登り、水晶山神社拝殿に到着。
ここで、山頂から降りてきたばかりの新庄からの中高年ハイキンググループ30名程と挨拶。
彼らはこれから下っていった。
拝殿手前の水晶山説明板によれば
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かって山岳信仰、修験の山として繁栄した、この水晶山は大宝二年(702年)役小角開山と伝えられている。 山中には神仏混淆の寺院跡や堂跡･史跡などがあり、山頂に祀られている水晶山神社(旧大和神社)は貞観13年(871年)に朝廷から従五位下の位を授かった利神と見られている。拝殿の後背に奥の院がある。奥の院の後方が山頂、標高667.9ｍ、三等三角点が設置されている。 この山頂を『陽神』蔵王大権現、拝殿の左の道を約100ｍ行くと｢御室｣(修験者が修行のため利用した自然の縦穴) を『隠神』十一面観世音菩薩として神格化している。 |
その奥の院の裏側、奥の院の右側から岩山をぐるっと廻ると、そこが狭い水晶山の山頂である。
水晶山と書かれた大理石の石柱が立つ。10時40分山頂到着。
林間を登り始めて一時間の手頃なハイキングであった。
山頂の眼下には関山街道が見える。その向こうが宮城県境の面白山などの山々。あの背後は作並温泉である。
関山街道(国道48号線)は、笹谷トンネル・山形高速自動車道が開通するまでは仙台市と山形市を結ぶ最短ルートとして活用されていた。現在も仙台市と天童市以北との最短ルートとして使われている、物流のメインルートである。
県境には関山トンネル(890m)が通る。
関山峠の山形側では、大掛かりな砕石事業所が多く点在し、水晶山山頂からも採石取り出し現場がよく見える。山間部も含めて山林伐採による土壌流失などによる自然破壊がかなり進んでいる模様。
今年の冬、関山峠では、2月15日9時55分頃、国道48号関山トンネルの宮城側抗口手前で雪崩が発生し、関山峠を含む区間が2月25日朝まで全面通行止めとなった。
水晶山の山頂から下って拝殿前の広場で早めの昼食。
広場の掲示板で知ったのだが、拝殿から右の横道を100ｍほど進むと「御室」があるとのこと。
早速歩いて行った。
岩山にできた自然の縦穴がある。深さは5ｍほどでほぼ円形である。
修験者が籠もって修練を積んだ場所である。
そこから戻って、仲間に｢御室｣を見てきたとといったら、全員そこへ出かけていった。
11時過ぎに拝殿を出発、往路を下る。
六角堂の駐車場に約40分で戻った。
まだ時間に余裕があるので帰路の途中、村山の｢東沢バラ園｣に立ち寄る。
東沢バラ公園は、日本有数の規模を誇るバラ園と3つの小さな湖(農業用溜池)を中心とした美しい公園。
平成14年にグランドオープン、広さは約7ヘクタール、世界各国の約750品種、2万株余りのバラが植栽されている。
村山市のオリジナルのバラ「むらやま」、昭和34年に鳩山一郎元首相夫人から贈られた平和の象徴｢ピース｣、古くて貴重な品種「バイオレット」などが植栽されている。
見頃は6月上旬から9月下旬。最盛期にはバラまつりが開催され、さまざまなイベントがおこなわれる。
｢東沢バラ園｣では9月11日から30日まで｢秋のバラ祭り｣で入園は有料になるが、この日はまだ無料であった。
秋のバラが大分咲いていたが、まだまだこれからの開花状況であった。
公園の中程にある｢バラ交流館｣２階で、バラの香りのするソフトクリーム300円を注文、しばしの休憩。
ペガサスＡはバラサイダーというのがあったので一本240円を注文して飲んだ。
しかし、ラベルをチェックしたら静岡県のメーカー製、地元製品ではないのでがっかりした。
東沢バラ園から往路を戻り、午後３時半酒田に到着･解散。
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